おうちのトイレは内開き?外開き?
デパートや駅などの公共のトイレは内開きが一般的ですが、住宅のトイレは今は外開きが主流となっています。
しかし、築年数が比較的多いお家ではほとんどが内開きです。
ドアを内側から外向きに開けた場合、狭い廊下側にいる人とぶつかってしまうリスクが高いという考えからでした。
そして、床より10センチほど下げた位置にトイレを設置するのが当たり前でした。
それは、トイレ内のスリッパが内開きのドアに引っかからない為と、床を水洗いする前提で排水溝を設置しますが、水がトイレの外に溢れないようにする為です。
しかし、時代とともにその考え方に変化が生じました。
トイレ内で脳溢血で倒れてしまう事例が報告されるようになり、外からドアを内側に開けると、倒れた人の体が邪魔となり助けることができないという認識が広まりました。
そして1990年代頃からバリアフリー化が進み、トイレの段差もなくす方向になりました。そこでスリッパ問題が浮上します。段差の解消とともにスリッパが引っかからないようにしなくてはいけませんでした。
また、洋式トイレの普及により掃除の仕方にも変化があり、排水溝を作る必要がなくなりました。
そのようにしてトイレのドアは、自然と外開きが主流となっていったのです。
しかし、廊下の幅が広くて、トイレのドアを外向きに開けても何の問題もないというお家は少ないでしょう。
この頃はトイレのドアを「引き戸」や「折れ戸」、そして「引き込み戸」に変えるお家が増えてきていますよ。
このように、住宅とは建てて終わりではなく、生活パターンの変化によってリフォームしながら住んでいくことが快適な生活につながっていくものです。